
息子には、多様な体験の中で“好き”を見つけ、 その先の“将来こう生きたい”へとつなげてほしい。 そんな想いから、筆者はこれまで体験を大切にしてきました。 だからこそ、息子の中学受験は予定外でした。 けれど、藤村女子中学校・高等学校が生まれ変わり描く新しい学びのビジョンに触れた瞬間、その価値観は筆者の中で驚くほど響き合ったのです。 “この学校なら、子どもの未来が開く”。そう確信した、その魅力をお届けします!
2027年春、「吉祥寺湧水中学校・高等学校」に生まれる変わる藤村女子。1年間の仮校舎をお披露目
藤村女子中学校・高等学校といえば、吉祥寺の街といっしょに歩んできた“文化と自由”の香りがする学校。 1932年の創立からずっと子どもたちを見守ってきた存在で、かつて吉祥寺に住んでいた筆者にも馴染みがあります。
その藤村女子が、95年の歴史に幕を下ろし、2027年春には校名を「吉祥寺湧水(きちじょうじゆうすい)中学校・高等学校」へ変更。 共学化とともに、学校のコンセプトも大きく生まれ変わります。
この新しいスタートに向け、2026年4月からの1年間は、藤村女子の仮校舎として『FINDER BASE(ファインダーベース)』を三鷹で先行使用。

“仮校舎としての始動”という大切な第一歩──その瞬間に立ち会う内覧会を取材させていただきました。
学校長が語る“学びの核”と、プロジェクトメンバーが仮校舎『FINDER BASE』に込めた想い
内覧会は『FINDER BASE』1階の「FINDER STUDIO(ファンダースタジオ)」から始まりました。

天井まで広がる大型LEDビジョンに、洗練された家具と光。学校というより、まるでクリエイティブスタジオのような空間に、思わず気持ちが高まります。
最初に登壇したのは、2027年から「吉祥寺湧水中学校・高等学校」の学校長となる菊池健太郎さん。

東京藝大を卒業後、教育系スタートアップ創業、大手テック企業での採用など、多彩な経験を持つ彼が冒頭で語ったのは、この学校の学びを象徴する言葉でした。
「Who are you? あなたは何者で、何に心が動かされるのか。それを見つけることこそ、この学校で学ぶ目的です」
その瞬間、胸の奥がふっと熱くなりました。“何ができるか”よりも前に、“何に心が動くのか”。息子の日々の小さな体験を見つめる中で、筆者自身がずっと感じてきたことと重なったからです。
菊池さんは、AIが知的労働を代替し始め、偏差値だけでは未来を測れない時代になっていると指摘。

そこで同校は、偏差値では測れない「未来をひらく4つの力」を新たに定義しました。

- 自分で問いを立てる力
- 異文化で軸を持つ力
- 他者と協働して価値をつくる力
- テクノロジーを使いこなす力
中心にあるのは、すべての出発点となる“問い”。筆者には、それが子どもが自分の世界へ踏み出すスイッチのように思えました。
日々の小さな心の動きや没頭体験、違和感を言葉にしていくこと……その積み重ねが、子どもの内側に新しい問いを育てていくのだと菊池さんは話します。
2027年4月、藤村女子は校名を「吉祥寺湧水中学校・高等学校」に改め、男女共学として新たな一歩を踏み出します。 “湧水”には、子どもの内側から自然に問いが湧き上がる学びを育てたいという願いが込められています。この響きと願いの重なり方、本当に素敵ですよね。
また、生徒を“Studenet”ではなく、“Finder(見つける人)”と呼ぶという考え方にも心をつかまれました。

知識を受け取るだけじゃなく、自分の問いを起点に世界とつながっていってほしい。そんな願いが込められているそうです。
この学校なら、筆者が息子にいちばん見つけてほしかった“どう生きるか”という答えを、自分の力で中高生のうちに探していけるかもしれない。そう思うと、母としての期待が胸の奥にそっと湧いてきました。
次に登壇したのは、『FINDER BASE』の空間プロデュースを担った、株式会社環境計画研究所(カンケン)の進藤然子さん。

ZOZOの新オフィスなども手がけてきた、“体験設計”の第一人者でもあります。体験設計とは、人の行動や気持ちが自然に動き出すように、空間にそっと仕掛けを忍ばせる考え方です。
進藤さんがまず語ったのは、この校舎に込めた空間ビジョンでした。
「中高の6年間は、自分と向き合う濃密な時間。その時間を、かけがえのないものにしてほしい。だからこそ、日常の中でふと“刺激”や“発見”が立ち上がる場所にしたかったんです」
その言葉に触れた瞬間、校舎全体を貫く思想の輪郭がふっと見えた気がしました。どんな空間がこの想いを受け止めているのか。そして、その中で生徒たちの心がどんなふうに動いていくのか。そんな静かな興味が胸に残ります。
続いて語られたのが、校舎名『FINDER BASE』に込めた想い。
“Finder”は自分を見つける人、“Base”は探検の基地。 ここから探索に出かけ、また安心して戻ってこられる──そんな拠点であってほしいという願いが込められていると聞き、胸の奥にじんわりと温かいものが広がりました。
そして学校長や進藤さんの想いを受け、そのビジョンを“校舎という形”に落とし込んだのが、株式会社シオアリトルデザインの塩島康弘さん。

建築・インテリアから家具まで手がけるデザイナーで、教育施設の空間づくりにも精通したデザイナーです。
「生徒の感性が動き出す瞬間をどうつくるか」その問いを軸に、刺激や発見のきっかけになる仕掛けを随所に忍ばせたと塩島さんは語ります。
外観には、見る角度や天候、時間帯によって玉虫色に揺らぐシートを採用。 絶えず表情を変えるファサードには、ファインダーたちの無限の可能性を重ねた想い込められています。 あえて校名を掲げないのも、固定的なイメージに縛られず“自分の色”を見つけてほしいからだと言います。
2階建ての校舎の中心には、色で性格づけられた4つの空間──表現の〈レッド〉=スタジオ、発信の〈イエロー〉=スタジアム、休息の〈グリーン〉=パーク、創造の〈ブルー〉=アトリエが配置されています。

色分けは装飾ではなく、空間に“気配”を与えるためのもの。色の違いが役割を自然に伝え、その日の気分で“いまの自分に合う場所”を選べるようにという願いが息づいています。
さらに、教室と廊下、教室と教室にガラスの仕切りを多用することで、 “見る/見られる”という関係性が日常的に生まれ、 その緊張感そのものが小さな刺激になるよう設計されています。
この校舎で過ごす時間が、子どもたちの未来にどんな色を添えるのか。そう考えると、これから歩く仮校舎ツアーが一段と楽しみになりました。
いざ『FINDER BASE』見学ツアーへ! その実像に触れ、学びのワクワクが深まる
最初にご紹介するのは、説明会の会場ともなった1階の「FINDER STUDIO(ファインダースタジオ)」。

空間の天地いっぱいに広がる大型LEDビジョンを備えたダイナミックなスタジオで、ダンスや映像撮影など“動画を活用した学び”が展開されるスペースです。
大画面を使ったプレゼンテーションにも対応しており、授業だけでなく生徒自身の発表の場としても機能。 スマホや一般的なモニターでは味わえない大迫力の映像が、臨場感のある授業を実現します。
ポテトチップスのようなやわらかな曲線を取り入れたベンチ「チップス」は、座るのも、あぐらをかくのも、寝転ぶのも自由。

子どもたちの好きな姿勢をそのまま受け止める造形で、塩島さんが手がけたオリジナルデザインです。
またどこにどう座るかを自分で決める。その主体的な行為が、子どもたちの問いを育てていきます。
スタジオの隣、エントランスの真正面に広がる「FINDER STADIUM(ファインダースタジアム)」は、最大60名が入れるプレゼンテーションスペース。


ベンチ状の家具に囲まれた中央で発表が行われ、その様子はガラス越しにエントランス側からも見えるつくりになっています。

“中で発信する人”と“外から見守る人”がゆるやかにつながり、見る/見られるという関係が日常的な刺激を生む空間です。
スタジアムのすぐ隣に広がる「FINDER PARK(ファンダーパーク)」は、 グループワークやディスカッション形式の授業を行うための、開けた学びの広場。

グリーンを取り入れたインテリアが、まるで屋外のような開放感をつくり、 子どもたちが輪になり、歩き、立ち止まり、自由に発想を交わせる空気を育てています。放課後には、友だちと語り合ったり、ひと息ついたりする場所としてもぴったりですね。
イタリアの名門照明ブランド「トム・ディクソン」の光をはじめ、上質なインテリアを随所に取り入れているのは、進藤さんの「若いころから本物を知ってほしい」という揺るぎない想いから。

日々の暮らしの中で出会う“質の良さ”が、子どもたちの心に小さな気づきやワクワクを生む。そんな思いが込められています。正直、この空間……うらやましすぎますぎる~!
2階の中心に広がる「FINDER ATELIER(ファインダーアトリエ)」は、集中して創作に向き合うための創造型スペース。


MACや3Dプリンタなどの専門機器が備えられ、ここはまさに“創造の現場”。もはや従来の“教室”という枠を軽々と超えた、発想が動き出す場所です。
注目したいのは、塩島さんが意図的に曲線を織り込んだこちらのテーブル。

ペンは転がり、パソコンは傾く。その“使い勝手の悪さ”こそが、子どもに使い方を選ばせるデザインです。 自由に動かせるチェアと合わせて、姿勢や向き合い方を自分で整えながら創造が生まれていきます。 家具そのものが、発想を支えるクリエイティブツールとして空間に置かれているのが印象的でした。
完成した作品をすぐに展示し、仲間と共有できる仕組みも魅力。

互いの表現がぶつかり、刺激し合い、次のひらめきが連鎖していく。そんな熱が渦巻く空間となりそうですね。
先にご紹介した4つの性格を持つ“動きのある学びのスペース”とは対照的に、落ち着いて知識を積み上げられる“従来型の教室”も用意されています。


その日の学びに合わせて行き来できるつくりが、すごく素敵だなと感じました。
仮校舎を歩くたびに目に入る、子どもの思考をそっと揺さぶる仕掛けの数々。この環境で過ごす日々が積み重なったら、どんな未来を描くのだろう? そんな想像が自然と湧いてきます。 親として、息子がここで学ぶ姿を見てみたいと思える場所でした。
自分の人生を言葉にできる力こそ、未来を切り開く武器。その土台を育てる学校へ
取材の中で印象的だったのは、菊池さんの「自分の人生を、自分の言葉で説明できる生徒を育てたい」という想いでした。

なぜその力が必要なのか。それは、子どもが“どう生きるか”という根源的な問いに向き合うとき、 自分の価値観や選択を言葉にできることが、これからの時代の確かな土台になるからです。
そしてここ『FINDER BASE』には、藤村女子が大切に育んできた“良さ”を確かに継承しながら、その理念が、空間にも学びの仕組みに揺るぎなく貫かれていました。

この環境で過ごす中高6年間は、子どもの未来に大きな差をつけるはずです。
偏差値では測れない“未来を切り開く力”を育てたい方は、 ぜひ一度、この『FINDER BASE』を訪れてみてください。オープンスクールにも足を運んでみると、学びの息づかいがさらに立ち上がります。
“学びの基準”が静かに、でも確実に更新される。そんな出会いになるはずです。

💡2026年度オープンスクール情報はこちら

